■地域における事業者間連携による自律的取組に係る支援
<事例 ~10~>
大阪府自動車整備振興会 (整備技術の高度化への対応)
令和5年4月14日(金)
<地域における事業者間連携による自律的取組に係る支援>活用事例
大阪で自動車整備技術の高度化を目指す精鋭集団
「メカトロクラブZENSHIN」
大阪府自動車整備振興会 (整備技術の高度化への対応)
令和5年4月14日(金)
<地域における事業者間連携による自律的取組に係る支援>活用事例
大阪で自動車整備技術の高度化を目指す精鋭集団
「メカトロクラブZENSHIN」
整商連では、「自動車整備事業の活性化方策」の一環として、大阪で自動車整備技術の高度化を目指す精鋭集団 「メカトロクラブZENSHIN」を取材した。
OBD(車載式故障診断機)搭載車、HV、EV、PHV、FCEVなどのエコカーの開発・実用化が急速に進む中、ASV技術(衝突被害軽減ブレーキ・レーンキープアシスト)の普及なども相まって自動車整備技術の高度化が進んでいる。
「メカトロクラブZENSHIN」は、高度な整備技術を武器に生き残りを目指そうと奮闘する自動車整備事業者による組織で、より的確な故障診断と修理技術で他社との差別化を図り、いかにして収益につなげるかを追及している。
<ご対応者>
【右】
メカトロクラブZENSHIN
会長 中原 智 様
メカトロクラブZENSHIN
会長 中原 智 様
【左】
メカトロクラブZENSHIN
副会長 浅田 純一 様
株式会社アサダ自動車商会
代表取締役社長 浅田純一 様
大阪府松原市岡2-4-18
■メカトロクラブZENSHINとは
冒頭にも記載しているとおり、高度な整備技術を武器に生き残りを目指そうと奮闘する自動車整備事業者による組織である。平成7年に発足し活動を続けていたが、当時参画していた事業者の危機感の薄まりから1~2年で活動を停止したが、近年浅田氏の元に新たに高度な整備技術を学びたい事業者が集まり始めた。
再発足に向け浅田氏が準備を進め、令和3年4月に予てより親交も深く、大阪自動車青年会議所(大自青)での活動を通じ組織論にも長けている中原氏を会長として迎え、浅田氏が副会長(技術柱)としてメカトロクラブZENSHINを再発足させ、令和5年4月現在、活動3期目に入ったところである。
平成7年の結成当初は明確な会則等も無かったが、再結成した現在は会則を設け更に会費制とすることで「お金を払ってでも高度な整備技術を学びたい」事業者だけを対象に活動している。
また、メカトロクラブZENSHINは、前述のとおり会費制とすることでより組織として明確な位置付けを行い、総会を通して議案を諮り活動内容を明確化することで会員の意識を高めている。
再発足に向け浅田氏が準備を進め、令和3年4月に予てより親交も深く、大阪自動車青年会議所(大自青)での活動を通じ組織論にも長けている中原氏を会長として迎え、浅田氏が副会長(技術柱)としてメカトロクラブZENSHINを再発足させ、令和5年4月現在、活動3期目に入ったところである。
平成7年の結成当初は明確な会則等も無かったが、再結成した現在は会則を設け更に会費制とすることで「お金を払ってでも高度な整備技術を学びたい」事業者だけを対象に活動している。
また、メカトロクラブZENSHINは、前述のとおり会費制とすることでより組織として明確な位置付けを行い、総会を通して議案を諮り活動内容を明確化することで会員の意識を高めている。
■現在の活動状況
発足当時は10数社の事業者が参画していた。
現在は14社の事業者(一部大阪近県の事業者を含む)で運営し、月1回(第1土曜日 19:00~21:00)主に大阪府自動車整備振興会にて定例会を開催しているが、毎回熱が入り日付が変わる頃まで実施している。
定例会では座学を1時間程度行い、より実践向けの実習を取り入れ、高度な整備技術の習得に向け日々邁進している。
また、電気関係の講習を行う際は、大阪府内の高校で教鞭を執っている先生に電気工学の講義を依頼し基礎から学んでいる。講義の内容は敢えて車に寄せたものにせず、未知の事を知って次に繋げていく(そこが車とどう繋がっていくのか)を自分たちで考えることが重要だと考えている。
現在は14社の事業者(一部大阪近県の事業者を含む)で運営し、月1回(第1土曜日 19:00~21:00)主に大阪府自動車整備振興会にて定例会を開催しているが、毎回熱が入り日付が変わる頃まで実施している。
定例会では座学を1時間程度行い、より実践向けの実習を取り入れ、高度な整備技術の習得に向け日々邁進している。
また、電気関係の講習を行う際は、大阪府内の高校で教鞭を執っている先生に電気工学の講義を依頼し基礎から学んでいる。講義の内容は敢えて車に寄せたものにせず、未知の事を知って次に繋げていく(そこが車とどう繋がっていくのか)を自分たちで考えることが重要だと考えている。
■一時解散に至る背景
高度な整備技術を武器に生き残りを目指そうと集まり活動を開始したまではよかったが、明確な会則や活動内容(カリキュラムや着地点等)が明確化されていなかったことが一時解散の要因であったと認識している。(中原会長談)
取材を通し、中原会長が自身の店舗(Posso Quattro)が業務多忙な状況であっても、メカトロクラブZENSHINに全力を注いでいる姿が伺えた。
取材を通し、中原会長が自身の店舗(Posso Quattro)が業務多忙な状況であっても、メカトロクラブZENSHINに全力を注いでいる姿が伺えた。
■メカトロクラブZENSHIN 再発足のきっかけ
メカトロクラブZENSHINが自然に活動を休止してからも、副会長の浅田氏は大阪産業大学 工学部 交通機械工学科の非常勤講師として17年間にわたり熱弁をふるってきた実績も併せ持っている。
また、東北地方を拠点とするハイレベルな技術集団「メカトロクラブみちのく」が開催する講習に講師として招かれるほか、九州地方を拠点とする「メカトロクラブ九州」立ち上げ時の基調講習を依頼されるなど、様々な活動を行ううちに刺激を受け、内々で活動をしていたメンバー等に声を掛けたところ一斉に立ち上がり現在のメカトロクラブZENSHINとなった。
また、東北地方を拠点とするハイレベルな技術集団「メカトロクラブみちのく」が開催する講習に講師として招かれるほか、九州地方を拠点とする「メカトロクラブ九州」立ち上げ時の基調講習を依頼されるなど、様々な活動を行ううちに刺激を受け、内々で活動をしていたメンバー等に声を掛けたところ一斉に立ち上がり現在のメカトロクラブZENSHINとなった。
■勉強会のスケジュールとテーマ
役員会を通して年間のテーマを協議し決定している。
実習に使用する車は、実際に故障入庫したものや、会員の車を疑似的に故障させたものを用意したうえで、故障個所を特定するなど常に実践向きな講習内容としている。
また、講習を受ける(インプット)だけでなく、人に説明するために情報収集すること自体がプラス要素となり勉強となるため、各社(会員)持ち回りで発表を兼ねた講習(アウトプット)をお願いしている。
実習に使用する車は、実際に故障入庫したものや、会員の車を疑似的に故障させたものを用意したうえで、故障個所を特定するなど常に実践向きな講習内容としている。
また、講習を受ける(インプット)だけでなく、人に説明するために情報収集すること自体がプラス要素となり勉強となるため、各社(会員)持ち回りで発表を兼ねた講習(アウトプット)をお願いしている。
■今後の方向性と目指す着地点
再発足から3期目を迎えた現在、会員拡大を求めるのか、活動内容の充実を進めるのか、役員会を通して議論を重ねた結果、会員拡大に注力するあまりメカトロクラブZENSHINの趣旨から外れてしまう危険性もあることから、現状の規模で活動を継続する方向性で進めることとなった。
現在、大阪近隣の事業者を含め1組織として活動しているが、将来的には大阪北部・中部・南部に分けた組織体とし、既存のメンバーが各ブロックの主軸となることで活動規模が広がって行き、最終的には大阪全体の技術力の向上に繋げられるよう活動していく。
また、大阪は事業場数が多いが、地方からすると技術者ではなく交換(チェンジニア)が多いと言われる現状を打開しなければならない。
故障個所に対しアッセンブリ交換ではなく故障診断の元、持てる技術力を発揮して原因を特定し、お客様への適切な説明と金銭的負担を減らす修理が行える修理工場を多く作っていくことがメカトロクラブZENSHINの目指すところである。
現在、大阪近隣の事業者を含め1組織として活動しているが、将来的には大阪北部・中部・南部に分けた組織体とし、既存のメンバーが各ブロックの主軸となることで活動規模が広がって行き、最終的には大阪全体の技術力の向上に繋げられるよう活動していく。
また、大阪は事業場数が多いが、地方からすると技術者ではなく交換(チェンジニア)が多いと言われる現状を打開しなければならない。
故障個所に対しアッセンブリ交換ではなく故障診断の元、持てる技術力を発揮して原因を特定し、お客様への適切な説明と金銭的負担を減らす修理が行える修理工場を多く作っていくことがメカトロクラブZENSHINの目指すところである。
■メカトロクラブZENSHINを取材させてもらって
これまでの内燃機関(ガソリン・ディーゼル)に加え、HV、PHEV車の普及が進み、EV・FCEV車も続々と市販されるようになった今、自動車整備技術の高度化が求められるのは当たり前のように感じられるが、そのために必要となる知識及び技能の向上を図るための場を作り、共に整備技術の向上に向けて取組む活動に感銘を受けると共に、その結果得られる整備士の地位向上にも一役買う活動であると強く感じた。
以 上